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編集者ノート(No.3) 米中貿易戦争の意味

2018年8月9日


米国発の貿易戦争が世界経済を揺さぶっていますが、この本質的な問題は、世界最大の黒字国中国が、発展途上国並みの通商規制と通貨安政策を行っておりこれがルール違反だと、米国がレッドカードを突き付けたのです。

中国が如何に自由主義経済の阻害要因になっているか。


例えば中国の独禁法が施行10年になりますが、これまで不承認の判断を下したM&A(合併・買収)案件は全て外国企業の案件です。カルテルの摘発でも外国企業の多額の制裁を加える傾向が強く、公正な競争を促進するはずの独禁法が中国ビジネスのリスクになっています。

日本は米中双方に夫々15兆円ずつの輸出をしており、日本の輸出全体の4割を占めています。日本から米国への輸出で689億ドルの黒字(2016年)に対し、対中国に対しては116億ドルの赤字(2016年)です。

日本政府・財務省は、米国の対日貿易赤字は689億ドルで対中国貿易赤字3470億ドルより遥かに少ないと強調しているが、中国は日本が輸出する製品、技術を使い、付加価値をつけて米国に輸出し、莫大な利益を上げています。言わば、日本は、中国のルール違反黒字の片棒を担いでいるわけです。

日本政府・財務省は、日本が世界の自由主義貿易を守る立場を取るなら、むしろ米国と協調して中国の国際貿易のルール違反を止めさせねばならないのに、「我々はグローバル経済で米国は保護主義だ。」などと言っています。NHKのチコチャン5歳に言わせれば「ぼーと生きてんじゃねーよ!」ですね。

日本政府・財務省が即やらねばならないことは、

まず、輸入の知的財産権侵害物品の93%が中国からの輸入物品であることから、これを徹底的に輸入阻止する政策を実行すべきです。

そして中国で日本のメーカーが行っている製造業を日本国内に戻すべきです。

日本が厳しい対応をすれば、中国への輸出が減少することが考えられますが、日本はドイツに習い中小企業の輸出振興を本気で行わねばなりません。その多くを米国に輸出する戦略が必要になります。俺以外にも様々な輸出入施策が検討されねばなりません。

「米中貿易戦争の本当の意味」を引き続き連載いたします。


(佐藤)


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