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コロナウイルスで在宅勤務通常化が始まり社員の評価基準が変わる

2020年5月30日


コロナウイルスでの在宅勤務通常化が始まり社員の評価基準が変わる

日立製作所に続きNTTが社員の半数の在宅勤務を恒常化すると発表しました。在宅勤務が恒常化すると社員の時間管理が難しくなり、一人一人の仕事をどのように配置しどのように評価するかが問題となります。

今までの日本の会社には人材に対する客観的な評価基準がなかったのです。欧米では1970年台に職業別の熟練度や専門能力の評価基準が明確化しました。「経営学修士号」「英語がCEFRでC1」「営業職としてA社とB社で10年」といった学位や資格や職歴が、その人だけが就ける職務の賃金額という形で評価されるのが原則です。

つまりその人の職務(ジョブ)が明確化されており学位により責任の所在がはっきりしているからです。一人一人のジョブが明確で一人一人の責任が明確なので、同一職種で企業を変えながら経験年数を積み上げ、キャリアアップができます。

こういう個別の働き方が明確になっているのでリモートワーク(在宅勤務)が容易にできるのです。

日本のような大きな部屋での共同作業は必要なく、あうんの呼吸に頼ったマネジメントもいらないのです。職務ごとに要求される学位(知的レベルとマネジメントのレベル)や経験年数が明確なら、何回も面接しなくとも書類審査だけでも採用は可能となります。

このように職務が日本では「ジョブ型」と呼ばれています。

日本の企業の現状をみるとA社で職務を明確化し、評価基準を決めてもB社との互換性が無いので必要な人材はA社で社内教育するしかないのです。A社の経験や評価がB社で通用しないので人材の流動性が高まりません。各企業とも社内教育で育成するしかないので長期雇用せざるを得ないわけです。

新人採用も「人物を見極める」しかなくなり、そうしてA社でしか通用しないからA社にしがみつくしかなく、人材は社内の部署を異動させ使い回すしかなくなります。

日本の高度成長を支えたのは勤続年数と社内経験を積めば定期昇給が毎年有り、定年時には退職金がもらえる保証がありました。

しかし、今は世界では「職種別の熟練度」や「専門能力の評価基準」がスタンダードになり経済と社会発展の基礎になっています。

コロナウイルス感染拡大の下での在宅勤務は日本型雇用形態の変革を求めています。

労働時間での評価基準と集団作業での仕事の評価(グループ評価)から職業別の熟練度や専門能力の評価基準による成果評価基準に移行しなければなりません。それが世界と競争して勝てるための方法です。

(文責: 佐藤健一)


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