バンデミックへの対応~自衛隊中央病院の成功と連合艦隊の伝統
パンデミックへの対応~自衛隊中央病院の成功と連合艦隊の伝統
自衛隊中央病院は日本でのコロナウイルス感染の始まりのダイヤモンドプリンセス号の感染者救援活動から200名の患者を受け入れ入院治療しました。
全国の病院で発生した院内感染も全くありませんでした。
自衛隊は生物兵器対策で常時自衛隊病院においても戦時体制ができています。つまり普段から緊急事態に備えた体制ができているのです。平時から非常時(戦争)を想定して準備や対応を十分に鍛錬できている結果と言えます。
明治28年5月27日から28日にかけて東郷平八郎大将が指揮する日本海軍連合艦隊が世界最強のロシアバルチック艦隊を撃破しました。いわゆる丁字戦法でロシア艦隊を壊滅させ日露戦争の勝利をもたらしました。この丁字戦法は参謀の秋山真之があみ出した瀬戸内海の村上水軍の戦法です。秋山真之は夜何日も寝ないでこの作戦を考えていたという逸話が残っています。
日露戦争が日本の勝利に終わり明治28年12月21日の連合艦隊解散式での「連合艦隊解散の辞」では次のように述べられています。
「武人の責務に戦時、平時の差はない。平時には鍛錬に勤め、戦う前に既に勝利の領域に到達している者は勝利を授かるが、平時に安心し鍛錬を怠る者は、たちまち敗者となる。」
自衛隊中央病院もこの教訓と伝統を今も実現していると言えます。
ちなみにこの「連合艦隊解散の辞」は軍人のあるべき姿として英文に訳され米国の全軍に配布されました。
日本も世界の国々も「平時に安心し鍛錬を怠たり」コロナウイルスパンデミックでの世界的な大被害を生んだといえます。「連合艦隊解散の辞」には有名な「勝って兜の緒を締めよ」とあります。また寺田寅彦氏は「天災は忘れたころにやってくる」と言われた。
先人の教訓を忘れず自らの不備と誤りを反省して、これからもコロナとそれ以後の国家的危機に全国民で対処して参りましょう。
(文責: 佐藤健一)