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コロナウイルスが収まっても在宅勤務は継続する

2020年5月15日


コロナウイルスが収まっても在宅勤務は継続する

日立製作所の東原社長は5月10日の日経新聞でコロナウイルス感染が収まっても在宅勤務は続けるとして「コロナ終息後も振り子は元に戻らない。多くの企業で、テレワークが前提になる」と話しました。日立製作所をはじめ世界に誇る日本のメーカーの生産現場は1秒単位で管理し生産性向上に努めてきました。

ところが事務所の業務では改善は一向に進んでいませんでした。今回のコロナウイルス対策で多くの企業で在宅勤務が行われることになりました。製造メーカーからサービス業までIT化による在宅勤務は今後定着するものと思います。

米国をはじめ世界の先進国ではIT化による事務の効率化が日本よりはるかに進んでいます。日本でもようやくこれから事務処理の効率化が大きく進展することになります。

財務省関税局でも政府の指示を受けて通関士の在宅勤務を認めました。東京税関は実施されていますが、地方の税関では申請が認められないとの苦情があります。

輸出入申告はNACCSシステムで99%電子申告です。輸出入者はインボイスの品名にHSコードを添付してエクセル等で送付してくれるので通関士はその都度品名のHSコードの確認は不必要になりました。一見IT化がかなり進んでいるようですが内実はそうでもありません。米国では通関業者のデスクにパソコン1台あるのみで完全なペーパレスです。

そもそも輸出入通関書類をPDFで送る仕組みでは電子化とはいえません。

財務省は文書の改竄を指摘されたりしてますから、省内文書のデジタル化が進んでないですね。財務省をマニュアル人間が指導してますから完全なペーパレスは難しいとは思います。

今回の在宅勤務でもプリンターから出力する書類の保存管理をどうするかをコンプライアンス上問題だとの議論がでることなども日本のIT化の遅れが決定的な原因です。

関税局はまず、紙ベースの輸出入申告制度をやめて電子書類を基本とする法律に変えるべきです。インポイスなど通関書類を全て電子化して通関業者の手間が大幅に短縮されます。NACCSセンターにも電子インボイスの仕組みはあるとのことなので、通関業者がイニシアチブをとって輸出入者のインボイスなど通関書類の電子化を進めるべきです。

今、通関士の皆さんは輸出入申告のためパソコンの前にいることが多いようですが、実務の効率化を薦めて、顧客への様々なご提案、サービス向上に目を向ける必要があります。

コロナウイルス感染は今後何年も繰り返すと予想されます。世界経済は1929年の大恐慌以上の経済恐慌がやって来ます。通関士の皆さんが業務知識をフルに活用してお客様に対応しないと生き残れない時代がやって来ます。

(文責: 佐藤健一)


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