コロナ在宅勤務と成果主義と履歴書の審査
コロナ在宅勤務と成果主義と履歴書の審査
アデプタスは去年の7月1日に紹介業の許可をとりました。もう一年が経ちます。
通関業者様に通関士様の紹介をするときに通関士様の了解をいただき履歴書と職務経歴書を見ていただきます。
求人募集ヒアリングシートをお書きいただき事前に通関業者様が希望する業務内容や年収
等をご確認した上でご紹介します。
この仕事をはじめて一番驚いたのは通関業者の採用担当者様から「履歴書が汚い」から面接はお断りするとの返答でした。転職を繰り返しているので正社員は難しいと言うのです。
確かにひとつの会社で長く勤められず転職を繰り返す人もいます。
私が面接した100人以上の通関士や従業者様は、やむなく派遣社員で担当職場を変えて仕事をしていたのです。いろいろな会社で輸出入業務の経験を積みキャリアアップしている方がほとんどです。新卒者を採用して社内で様々な仕事でキャリアアップさせていくと言う日本型雇用制度では転職を繰り返すのは「悪」なのです。
欧米では全く事情が違います。
6月3日の日経朝刊にこんな記事がありました。化粧品世界最大手の仏ロレアルグループの日本ロレアルの有田貴美江マネージャーは自分のキャリアで足りないものを埋める目的で転職を重ねました。ルイヴィトンのPRを担当するなど活躍の場を世界にひろげました。有田さんは転職は「個」を磨くもの、恐れず挑戦すればチャンスを掴めると確信しています。有田さんは社会人として働きはじめて20年で7回の転職を経験しました。それは自分のキャリアで足りないものを埋めていく作業でした。
コロナウイルス感染防止の在宅勤務が、日本の雇用関係に革命わをもたらそうとしています。日立製作所やNTTなど大手企業では在宅勤務を恒常化するなかで、時間管理から成果主義に社員の評価基準を変えています。
サラリーマンとして朝から晚まで身体を縛られる時代から自分の時間を使い能力を発揮して報酬を得る時代に大きな変革がはじまりました。
経団連と大学は2021年から通年採用に移行する予定でしたがコロナウイルス感染の影響で2020年の春の新卒採用が延期や中止になったため、実質的に今年から通年採用は始まっています。新卒採用の場合は、企業の採用担当者が予定採用数を確保するために多少不十分でも学生に内定を入れる傾向にあります。少子化で企業間の採用人員の取り合いが起こるからです。通年採用になればじっくり新卒人材を見て時間をかけて採用ができます。採用枠が1年いっぱいあるので中途採用のチャンスが増えます。企業の採用担当者も採用人員枠内で優秀な人材が確保できればいいので新卒に限る必要もありません。
在宅勤務で年功序列から成果主義への雇用形態の移行が始まり、年功序列の始まりの新卒一括採用制度が終わりました。
いよいよ個々人の能力を発揮する成果主義時代の始まりです。通関士など国家資格を取りプロフェッショナルが大活躍する時代の幕開けです。
(文責:佐藤健一)