輸入自転車に係るHS統計分類の改正について

関税コンサルタント(通関士、税関OB)
浜田 栄
まず最初に、うれしい話と、悲しい話を申し上げなければなりません。
うれしいこととしましては、女性幹部の登用です。畑 美妃アデプタス前営業部長様の社長へのご昇格・ご就任です。各界では女性の幹部進出が求められている中でのことで、時代の流れに添った大変おめでたいことだと思います。
悲しいこととしましては、佐藤健一同社前社長様の悲報に接したことです。ご本人様から、まだたくさんしなければならないことがあったと拝聞しており、また、小生が関与した今回の統計分類の改正に係る告示を待たずに急逝されたことは、心残りで残念であったであろうと思います。ご本人様のご逝去を謹んでお悔やみ申し上げますとともに。ご冥福をお祈りいたします。
急なことでしたので、周りの皆さんは大変であったであろうと推察いたします。
さて、アデプタスにおきまして、懸案の一つでありました自転車協会様ご依頼の輸入自転車の統計分類の改正についてです。
その背景としましては、2023年の同協会の会員統計によりますと、電動アシスト自転車の売上が自転車全体の65%を占めるほどになり、縮小傾向となっていた自転車市場にあって希少、かつ重要な成長分野となってきているということです。同電動アシスト自転車の輸入は、HS8711.60(モーターサイクル‐駆動原動機として電動機を有するもの)に分類され、また電動車椅子やセグウェイ、小型原動機付き自転車等も同様に分類されています。同電動アシスト自転車が含まれるHS8711につきましては、現在2028年のHS条約付属書の改正に向けた議論の中で検討されており、その結果を待たなくてはならない状況で、今回の改正には含まれておりません。
他方、従来の一般自転車の輸入は、50%以上がHS8712.00の「その他のもの」に分類されているという現状にあり、この内容を細分化しないとどのような自転車が増え又は減っているのかがわからない状況です。
この内容を明確化するため、これまでの一般自転車の統計分類である「カンチブレーキを有するもの(HS871200.100)」と、「その他のもの」をキーとして、さらに「その他のもの」の下に「車輪の径の呼びが24インチ以下のもの」と、「同超えるもの」という体系で統計分類されてきましたが、時代の変化に対応した統計分類として、次のような変更を財務省に対して要望してきました。
HS8712.00の下に、「車輪径の呼びが24インチを超えるもの(二輪自転車に限る。)」、「車輪径の呼びが12インチ以上24インチ以下のもの(二輪自転車に限る。)」、及び「その他のもの」をキーとするという体系に変更するものです。
今般、財務省告示におきまして、来年1月1日からアデプタス指導の下、自転車協会様のご要望に沿った、HS8712.00を細分化した輸入統計分類に変更する旨別添のとおり公表されましたのでお知らせします。
(以 上)
以下をクリックすると「告示統計分類」のWordファイルがダウンロード可能です