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米国の通関制度と日本の比較から見る「日本の常識、世界の非常識」(No.1)

2018年7月20日


先日、米国商務長官が日本に多くの非関税障壁があると述べていましたが、下記ニュースが業界紙にて報道されていました。

輸入関税の課税もCIFから米国のようにFOBに代えられれば日本の消費者にとって輸入品が安くなります。また消費税も米国の輸入通関時に免税扱いされれば企業のキャッシュフローが圧迫されません。日本税関は消費税徴収、未納取締の無駄な業務・人材を削除できます。

来年10月から消費税が8%より10%にあがる予定ですが、零細の通関業者は消費税の立替払のために廃業に追い込まれるのではないかと懸念されています。日本税関は金の輸入時に消費税未納を取り締まれていますが、米国のように流通段階では消費税はかからず、最終の消費の段階で消費税を課税されれば、卸企業にとって無駄な業務より解放されて「サービス残業」が不要となります。

ちなみに零細企業(売り上げ1000万円以下)が顧客より消費税を徴収していても報告しなくても良い(自分のポケットに入れておけば良い)と聞いています。米国では徴収した消費税を免除する事は絶対にありえません。このような事を止めれば消費税のアップが不要かもしれません。

毎日、うだるような暑さで、日本国中が大変です。本格的な夏が一か月早く来たようです。

「日本の常識、世界の非常識」とは、よく言われることです。

日本政府、マスコミは、米国が保護主義で、日欧のみならず、中国まで「自由貿易を守る」と言ってます。

トランプ大統領は欧州が車の関税をゼロにするなら米国もゼロにする、と言ってます。

2016年特許申請件数上位三国では中国133.9万件、米国60.6万件、日本が31.8万件ですが、 中国は、国の保護の下で特許申請を補助金、奨励、ハイテク企業認定などで、2016年の特許申請件数が増大しています。

2016年の 増加分23.6万件の98%が中国です。中国では権利行使の簡略化や損害賠償額の引き上げで侵害訴訟の件数も著しく増大しています。自由貿易では、企業の特許権を前提に考えているので、国家が保証した特許権は想定外です。中国は、日本の家電、新幹線から日本各県の産物の名称まで勝手に特許申請しています。日本への知的財産侵害物品の93%が中国からのものです。日本も本気でやる気があるなら、知的財産侵害裁判所を作り徹底した対策が必要です。

日本政府、財務省も本気で自由主義経済でも国益を守るなら、輸入価格から海上航空運賃を除外して、輸入品を安くする、輸入時に消費税を付課しない。など、根本的な政策転換が必要ですね。民間の圧力で実現したいです。

米国では輸入時に消費税は課されません。消費税は卸の流通段階では課税されず、最終の消費目的の販売時に消費税が課されます。

トランプ流にみますと輸入時に消費税が課されるのは「非関税障壁」ですね。輸入時に消費税が課されている日本の輸入者にとってキャッシュフローが悪くなります。荷主によっては

通関業者に建て替えさせる事も多々あります。来年10月から消費税が10%に上ると、零細な通関業者は関税・消費税の建て替え払いで廃業に追い込まれるにではないかと心配しています。

米国では修理品をTIBとして一時輸入して、修理した後、3年以内に輸出し、TIBをキャンセルすれば免税による輸入・輸出は完結します。

米国の税関は「輸入者である貴方の言うこと信用しましょう」主義であり、荷主を大人扱いしています。ただ米国税関は荷主の申告が本当か見抜く技も道具も持っており、嘘を申告しますと大きなパニッシュがあります。

アダム・スミスの富国論ではないですが、各国が自分の得意の分野・商品を(行政の妨害無く)自由に交換することが国を反映させます。もちろん輸入品の安全性は重要です。

米国の修正申告と還付金のこと

アメリカでは払いすぎた関税を修正申告することによって還付される事が日常的にある。税関が還付に同意しない時は米国国際貿易裁判所にて司法の判断が仰げて、三権分立が適正に機能している。税関に異議を述べてもリベンジはありません。同じ商品でも通関申告官署によって、異なったHSコードを使うと俗称Port Shop(関税安い所を探す)と言われて、通関申告申告違反になる。「日本では通関申告官署によってHSコードが異なる事があり、貿易システムのデータベース化が困難である」と日本税関に強く述べておきました。それと通関申告時に書類提出が求められたときはFax, emailで提出できて原本の提出は不要である。米国税関は全輸入者のプロフィールを管理していて、コンプライアンス率も保持している。コンプライアンス率の評価により書類審査、貨物検査の頻度に反映される。税関に課されているInformed Complianceによって、各輸入者は自社のコンプライアンス率をACEによって開示しており閲覧できる。また税関が書類審査や貨物検査の結果も閲覧でき情報公開が徹底されている。

アメリカでは行政が公平で ないと業界より訴訟されますので、税関は公正である事に特に注意している。引き取り申告許可後、関税ボンドを持っていれば、貨物は納税前に引き取れる。納税は通関申告許可後、第10稼働日までである。ACEによる月次払いに参加すれば、金利無しで最大45日間延納できる。例えば6月1日より30日までの通関申告分の納税は7月17日までです。(佐藤)