通関士の未来とあるべき姿につきまして
日本の貿易の成長と発展に欠かせない規制緩和は「通関士の独立営業」と思います。
2022年に入りましてコロナ感染終息の見通しが見えず、いよいよ物価高の時代、大量失業の時代が始まろうとしています。
世界経済では米国が40年ぶりのインフレの伸びに直面し、FRB(米連邦準備制度理事会)はコロナ危機から始まったゼロ金利政策と大規模量的緩和(QE)を今年3月に終えると発表しました。米国の金融引締めは世界不況の引き金を引きことになります。
日本でもコロナ感染で体力の弱った企業の業務や会社組織の縮小、倒産がで始めていますが、3月以降の原材料の値上げによる食料品の値上がりが目白押しとなり、国民生活の悪化が心配されます。
通関士をめぐる環境も厳しくなりつつあります。通関士の需要も全体的には減少し、現実に年齢を特定した求人が多くなる一方で定年後の通関士の仕事がない、通関実務経験者に限定した求人なども多くなっております。
通関士が目指すものが「貿易の税理士」であり「通関士の独立営業」が究極の目標であることは以前から皆様にお伝えしている通りでございます。
確かに実務経験を重視する通関業者が多いですが、通関士資格があり実務経験がなくても、弊社から企業様に社員として採用される方々は、通関士資格にプラスアルファの付加価値をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
営業のできる方、倉庫・保税業務の経験者、語学力に優れた方、その他通関業務以外に「何かやれる方」です。
通関実務未経験のハードルを乗り越えるには、ご自分の持つ「付加価値」をアピールしていくことが必要です。
しかし一番の付加価値はご面接での企業側面接官へのご自分の通関士として働くことへの「情熱」と「決意」の表明です。
これこそ究極の付加価値です。求職者の履歴書と職務経歴書からのみ合否を判定するのなら対面による「面接」は不要です。直接ご自分の価値と付加価値をアピールして当該企業に自分の採用を決定していただく場所こそ面接です。真剣勝負の戦場でもあります。最高の準備と用意をして臨んでいただきたいのです。
弊社がご登録者様に行う「事前面談」及びご面接の前にお渡しする「面接トークスクリプト」は、実面接を想定したQ&Aになっております。どうぞ、ご活用をお願いいたします。
先にお話ししましたが、近い将来に「通関士の独立営業」が認められれば、通関士は経営者であり、通関実務ばかりでなく顧客への営業から、事務処理、会社運営までできる能力を持っていなかればなりません。
通関士の皆様には経営能力を高めるために自らの持つ付加価値を最大限活用していただき「勇気」と「情熱」をもって自らの人生の未来を切り開いていっていただきたいと切に思っております。
それは今現在の厳しい状況の中でも自らの価値と付加価値に自信を持って通関業務と貿易業務の求人にエントリーしていくことで可能になると信じております。(文責:佐藤健一)