Skip to content

今話題のSP貨物とはどんなものか

2020年10月8日


越境EC米中日比較.png

今話題のSP貨物とはどんなものか~前の図解で明らかなように日本の越境EC拡大の可能性はとても大きくSP通関の未来は明るい。

SPとは輸出者の戸口から輸入者の戸口まで運送する国際エクスプレス便、国際宅急便のこと。小口急送貨物ともいいます。

通関手続きは課税価格1万円以下の無条件免税貨物の簡易申告でマニフェスト通関といわれます。マニフェスト通関は航空貨物混載業者が扱う航空便の取扱で、海上貨物ではできません。

近年、海上貨物の増加は殆ど無く横ばいなのに比べ、輸入貨物の拡大の大半がこのSP貨物で占められています。

コロナ禍での国際貿易縮小の影響を受けて一般の輸出入航空、海上貨物が低迷するなか、SP貨物は毎年15~20%増加しています。新規業者も次々に国際エクスプレス便の取扱に参入しています。通関士の需要もどんどん拡大しています。

海上通関士の方はSP通関のスピードにについていくのは大変ですが、航空通関の経験者は大丈夫です。

コロナ禍の影響で旅行者の爆買いがなくなり通販に切り替える販売者が増加したこともありアマゾンなどのネット販売業者の取扱が爆発的に増加しています。

取扱貨物を特化したいる一部の通関業者以外の通関業者は今後厳しい会社経営となります。

1万円以下の課税価格でもSP通関の対象外もあります。これらは通常の少額簡易通関申告をします。早朝送られてきた輸入インボイスでHSコードを選び輸入申告します。他法令の確認もあり半日で許可して発送するのがスタンダードですのでとても忙しいです。

このトレンドのSP通関にチャレンジしたい通関士様がいらっしゃると期待しております。

私は1973年に大手の運送会社に入りました。もう一社当時中堅の運送会社も試験を受けました。私が入社した大手運送会社は今、1973年頃に比べて社員数が4分の1になり経営に苦労しています。私が入社しなかった中堅の運送会社は日本一の宅配便会社になりました。

入社時に大きくなくても時代のトレンドに合えば、あっという間に会社規模は逆転します。

SP貨物は間違いなく今後の国際貿易のトレンドになります。今は大きくなくても未来のある通関業者を選んではいかがでしょうか。

SP通関士様を求める通関業者様が多くございます。アデブタスはチャレンジャー通関士様を応援します。(文責:佐藤健一)

◆日本と米国と中国の越境EC購入額の比較


この図を見ると、日本・アメリカ・中国の三ヵ国間では、日本の商品は越境ECによって、中国・アメリカからの購入金額が多いのに対して、日本から、アメリカ・中国への購入が極端に低いことがわかります。日本は越境EC市場においては販売国でありながら、日本人は越境ECでの購入が三ヵ国の中で極端に少ないのが特徴です。

これは言語による問題や、海外で商品を購入することに抵抗があることが要因です。一方で中国やアメリカからの越境ECによる日本製品の購入額は高く、特に中国からの日本製品の購入額は1.5兆円を超えており、対前年比30%と急激に成長していることがわかります。

この図からも、日本のEC貨物の拡大に大きなチャンスがあることが一目瞭然です。